2010年5月11日開催の大阪市立大学 創造都市研究科 都市情報学専攻 知識情報基盤ワークショップでは、「経験の社会経済 事例から読み解く感動価値」をテーマにゲストスピーカーとして、経済産業省 近畿経済産業局 福田秀俊様に講演を頂きました。福田様ですが、大阪市立大学大学院の修了生でもあり、現在は経験経済研究会のメンバーとして活躍されておられます。
今回は、経験経済について講演を頂きました。マクロ経済学、ミクロ経済学との言葉は耳にして来たのですが、経験経済という言葉は初めて聞く言葉だったので興味深く講演を受講しました。
まず最初に日本の経済について1990年より、実質経済成長率が大幅にダウンしている事について説明を頂きました。実質GDPはゆっくりと成長しているが、成長率は、大幅に鈍化してきている。一人あたりの実質GDPは上がって来ているが、生活満足度は下がって来ているのが日本の現状となっております。
次に、経験経済における4Eについてご紹介を頂きました。『経験経済』ですが、パイン&ギルモア氏によって著作が出ております。
パインとギルモアの定義では、次の4Eが今後の経済発展に重要性を増していくと述べています。
Entertainment (娯楽)
Educational (教育)
Esthetic (エステティック 美的)
Escapist (非日常)
今までの日本経済は、品質の高いコモディティ化された製品を大量生産し海外に輸出することにより経済発展して来たが、経験経済の観点から語られる事が無く、今後は経験経済についてより重要性が高くなると述べられていました。
事例として、スターバックスの顧客満足度(スターバックスのカップを持つ事がステータス)、キッザニアにおける子供の職業経験、ディズニー・ランドでの非日常体験等を上げて、そこにおける経験が消費者の購入意欲向上、リピーター化につながり、経済が活性化し発展して行くとの事です。
ここからは、私の意見なのですが、日本だけでなく、世界でもAppleの iPhone/iPad,車でいえば BMW,メルセデスベンツ,先程のディズニーランド,キッザニア等、海外の有力ブランドを所持したり、訪問することが「経験経済」の中心であるように思われます。日本でも トヨタ自動車の Lexus、本田技研工業のAcura等の取り組みがありますが、今後もっとたくさんの日本発、アジア発から世界へのブランド確立が日本経済/アジア経済発展に重要かと考えます。